バーニングパンダちゃん
当時展示されたマンガは、http://banipan.seesaa.net/で、公開されている。
今回つくるTシャツのキャラクターでもある。
燃えているので近くに寄ると暖かい。火傷に注意。
イラストレーターのトリバタケハルノブさん(以後 トリハルさん)が描くキャラクターでTシャツを作ってみたらどうだろうかと考えて相談してみたら快諾していただけた。とても嬉しい、楽しみだ。
そんなわけで、宣伝の意味ももちろん含みでトリハルさんとお話しをしてみた。
―エイトビットカフェで開催されたトリバタケハルノブ展が2006年の11月8日~11日。4年くらい前ですね。
トリハル:本当はもっと色々な絵を飾る予定だったのですが、途中で間に合わないってなって、方向転換して「バーニングパンダちゃん」だけでした。結果的にコンセプトがはっきりして良かったですね。
当時展示されたマンガは、http://banipan.seesaa.net/で、公開されている。
今回つくるTシャツのキャラクターでもある。
燃えているので近くに寄ると暖かい。火傷に注意。
―その時のマンガパネルは、今でもエイトビットカフェにいくつか残っていますね。
トリハル:そうですね。色んな人に会えて良かったです。展示をやると人とのつながりもできるし、楽しかったですね。
当時は定期的にやっていこうと思っていたんですけど…
29歳の時に初めて展示をやったんですよ。知り合いの人がやっている中目黒のお店がお盆休みになるので、その時やったらということで。
その時超楽しくて、味をしめたんです。モテる感じになるんですよね。その間だけ。
―自分を見に来てくれるわけですからね。
トリハル:翌年、吉祥寺で友達の似顔絵展をやって、それで3回目がエイトビットカフェで「バーニングパンダちゃん」の展示をやったんです。
エイトビットカフェでは、その後も、色々な人が出す作品展なんかにも参加したんですが…
―8bit cafe creator’s catalog 2007ですね。
トリハル:それは、自分にはオシャレ感が強過ぎて、いたたまれない部分がありました。ちょっと怖くなって帰っちゃいました。
―自分の路線とはちょっと違うかなという感じ?
トリハル:仲間に入りたいとは思うんですけどね。なかなかどうして。
―同じようで、色々な路線がありますからね。
トリハル:僕はホノボノ路線ですから(笑)
―最初からホノボノ路線なんですか?
トリハル:最初はオシャレに行くんだ!って思っていましたよ。
イラストレーターってオシャレな仕事だと思ってましたし、オシャレな人にならないと!とも思ってました。
東京に来て、そういう人達の仲間に入るものだと思ってましたし、実際、おしゃれっぽい人達の周りをウロウロしていたんですけど、なんというか、そういう人達は志が高いというか…
僕も志はあるとは思うのですが、角度というか…
―目指すところがちょっと違う?
トリハル:そうですね。あと、現実として食べていかないといけなかったので、自分にできることで早く仕事になりそうな方向に行った結果、ホノボノ路線になったという感じですね。
上京当時は、DESIGN PLEXとかMdNとかGASbookとかが流行ってました。その頃は、僕にも何か出来る!ってワクワクしていて。デザイン・イラスト版の「バンドやろうぜ」みたいな。
DESIGN PLEXの表紙を見せて街を歩く、みたいな気分で。実際にはしてませんけど。
あと、フライヤーを描くというのが夢だったんです。イベントのフライヤーを描きたいという。
―フライヤーという言葉が流行しはじめた頃ですね。
トリハル:33に行ってフライヤーもらって帰ってたりしていました。
―33なんかもそうですけど、トリハルさんが上京頃はTシャツを作ることも流行していましたね。
トリハル:Tシャツ作るのも、憧れでした。専門学校に行っていた友達なんかも作っていて、いいなぁって。
―ご自身で作ろうと思ったことは。
トリハル:あります。でもね、作りたいTシャツは特に無かったんですよね。キャラクターとかも浮かばなくて。
―Tシャツを作って、みんなと楽しくなっているような感じのイメージが先行してたと。
トリハル:ええ(笑)
―「バーニングパンダちゃん」のデザインは幾何学的で、ホノボノ路線とはちょっと離れていますよね。
トリハル:上京してバイトしていた頃から考えていたキャラクターなんですね。作品として出したのが大分経ってからなんですが。
なので、エイトビットカフェで展示をやった頃には、もうホノボノ路線メインで仕事をやっていたんです。
―なるほど。これだけ見ると、どっちかというとキツイ人なのかなぁなんて印象もあります。
トリハル:たぶん、ムーミンみたいなことがしたかったんですよね。赤毛のアンとか、大学生の頃、熱心に読んでて。
けっこう露骨に教訓が全面に出ていて、これやっていいんだと思って。そういう子供向けのがやりたかったんですよ。世の中の不条理を物語にしたものとか。
今、読んでみると、思ってた以上にこれはこれを言い表しているんだな、というのが分かりやすすぎて、ちょっと恥ずかしいですね。
あとは河合隼雄の本にもすごくはまって。村上春樹と対談している本から入っていったんですけど、そういう影響も「バーニングパンダちゃん」に現れているような気がします。
―むつみ荘は、教訓めいたこともあるけれど、もっとほのかに物語からにじみ出てくる感じですね。もっとこなれているというか。
トリハル:「バーニングパンダちゃん」は、自分の心の中のことだけを図に描いて説明しているような感じですね。絵もシンプルだし。
「バーニングパンダちゃん」は自分の心の中の話で、そして、夢から覚めて「むつみ荘」に行ったと。
「バーニングパンダちゃん」は、ちゃんと描き直したいと思ってはいるんです。でもそれをずっと考えているのもどうかとは思うんですよね(笑)。マンガをアップデートしていくっていうのも…
―ライフワークのような感じでしょうか。
トリハル:今回のTシャツはアップデートのいいタイミングかもしれないですね。
元のデータがあるので、コピー&ペーストがメインで作業できるので(笑)
イラストレーターときどき漫画家。2000年よりフリーランスとして活動。
キャラクターイラストやちょっとした漫画を得意としています。あみぐるみも作ります。