4月2日(水)2014-04-02
桜が満開。歩いていて大変に気分が良い。
ここ最近はずっと台湾で起きた学生の立法院(日本の国会にあたる)占拠事件が気になってチェックしている。
立法院の中の様子はずっと生中継されている。
埋め込んだニコニコ動画だけじゃなく、UstreamやYoutubeでも生中継しているけど、URLが変わらずに生中継を続けているのはニコニコ動画だけ。もう340時間を超えている。
立法院占拠から60時間後に中継を開始して、昼間は日本語の分かる人がついて今何が起きているか、何をアナウンスしているかを日本語で話をしてくれている。
なぜこんなことになっているかという経緯もまとめられている。
学生の主張の方に理があって、しかも実現出来て当然な内容の要求であり、その上で難しい立場にいる政権とのやりとりをリアルタイムで見ることが出来るという状況。
無理に潰しに行くことだって出来るのだろうけれど、世界中が見ていますよ、という何が起きるか分からない脅しがついてまわっている。かといって要求を飲むわけにはいかない政権側。
学生側の要求は非常にシンプルで現実的でブレない。埋め込んだニコニコ動画にも、slideshareにもあるけれど、引用すると
一.「公民憲政会議」開催を要求する
各業界と民衆の声を聞いて相談して対策を考えて欲しい。
二.「サービス貿易協定撤回」の要求
立法院がこの協定を審理するまでもなく、撤回すべき。
三.「今会期中に両岸協議監督の法制化を完成させる」ことを要求する
台湾と中国との協議・監督協定を成立させて欲しい。
成立させる前に中国との話し合いはするな。
四.「与野党国会議員が民間の主張に応える」べきであることを訴える
法案が可決する前に、3回は審議して欲しい。
大雑把に言えば
「今のを一旦無かったことにして、ちゃんと中身をチェックする仕組みを作って、ちゃんとやって欲しい。」
これだけ。
ニコニコ動画のコメントには、事情を把握していなかったり、日本社会やネット社会の前提で考えたノリで
・中国は嫌いだ。信用ならない。
・馬英九が悪者だ。辞めさせろ。
といった意見が流れたりするけれど、そういったことには一切触れていない。
こういう分析もある。
今回の台湾のデモ、公式には反中国はおろか「馬英九やめろ」すら明確にアナウンスしてないんだぜ。テクストとしてそれが含まれているのは明らかだけど、あえて具体的に言わないことで総論賛成各論反対レベルの人たちまで取り込むことに成功してる。攻撃よりも脇の甘さを消す方に注意払ってるもの
— 安田峰俊(迷路人) (@dongyingwenren) 2014, 3月 30
今回の占拠した学生側は、とにかく理性的で、体制に対して鬱屈したものの発露といったデモにありがちな強い暴力性や破壊性をコントロールしている。
リーダーが泣きながら訴えるようなシーンさえ見たことがない。淡々と話している。
そういった発露は、運動の原動力でもあるし、スタート時には起爆剤にもなったりするけれど、時間が経つことで勢いが失われることもまた事実。
でも、今回はスタートから主張がブレず、淡々と出来ることを続けているわけで、あそこにいって暴れてやるか、といった困った人が混じることも無いし、ある意味では面白みにかけるものなのだろうけど、逆に言えば、そんな風にやって失敗は出来ないという、想像出来ないような恐怖があるからこそのやり方なのかも知れない。
青春の暴走なんかで済ませられない、本当の将来をかけた行動。
井の頭公園は花見客が大勢いて、日本は今のところ平和だなと思う一方で、建設関係につきまとう、お金なんかにまつわる良くないイメージも
「とか言っても桜の木を植えて春には凄い綺麗に咲かせたりするんだよね、経費的にはもっと安く済む方法もあるんだろけどさ」
なんてことを考えたりする。
お金や名誉、その他色々と桜の木を天秤にかけているかは分からないけど、すべて損得だけで決まることじゃない。
今回の件、あちこちで引用されている台湾の社長の分かりやすい話のリンクを紹介して、お終いにする。
【台湾速報】抗議で揺れる台湾で「とある社長の独り言」にコメント殺到 台湾の反応「感動した!!」「シェアするべき」
まだまだ占拠は続くし、可能な限り見届けようと思う。