つなみ 被災地のこども80人の作文集2012-01-22

1月17日で神戸の震災が起きて17年が経った。
ニュースでは震災当時まだ幼かった高校生の声なんかが取り上げられていて、そうか随分と時間が経ったものだと感じた。世代というのはそうやって積み重なっていく。
正月にはオウムの指名手配犯が出頭した。警察の失態が大きく取り上げられたが一説によると担当した人間は若く、オウム事件そのものについての認識が不足していたなんて話がある。オウムの事件も神戸の震災と同じ年だ。当時の高校生も三十半ばだ。

文藝春秋増刊「つなみ 被災地のこども80人の作文集」 2011年 8月号

文藝春秋増刊「つなみ 被災地のこども80人の作文集」 2011年 8月号
 
東日本大震災を体験した子供たちの作文集。
原稿用紙に書いたものそのままで掲載されている文章もある。
家族を失った子供がいたり、大変な中でも楽しかったことが書いてあったり
生の声なんて言葉で大きくまとめてしまうのはどうかと思ってしまう。
とにかく手にとって読んでほしい。

神戸の震災の数年後、大阪の友人を訪ねた時に神戸を案内してもらった。いわゆる観光で行くところは随分と整備が進んでいて、この辺は綺麗になったと説明もしてもらった。神戸に住む知り合いの大学生は、小学校六年間ずっと学校のグラウンドに仮設住宅があったそうだ。17年間、毎日毎日少しずつ頑張った結果が今の神戸なんだと思う。

楽しい時間はすぐに過ぎるなんて言うし、逆に辛い時は時間が進まないとも言う。実際そういう経験は多くの人がしているはずだ。
震災が子供たちに強烈な体験としていつまでも残るのか、人生を経ていくにつれ薄らいでいくのか、それはこれから先のことだけれど、そこに何かしらの明るい未来があることを祈る。

その街のこども 劇場版 [DVD]

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監督: 井上剛
出演: 森山未來, 佐藤江梨子, 津田寛治
 
2年前、2010年1月17日にNHKが放送した番組の劇場版。
こうやって、その時の子供たちを気にかける大人達がいるということ。
それはまだこの社会が大丈夫なんだという証であると信じたい。