UKO – Signal2016-04-16

J-WAVEが春によく「WELCOME TO TOKYO」といったキャンペーンをやっていて、こんなイメージのキャンペーンソングをやっていたなあといった感触の一曲。適当なところでJ-WAVEのジングルをいれるとシックリくる。

東京のイメージというのは人それぞれ年代によっても違うのだろうけれど、開局したばかりのJ-WAVEは当時を生きた多くの世代の人達にとってバブル期の高揚なんかも含めて世界的な都市としての東京を象徴する存在だったのかも知れない。海外からの観光客がどっと増えた今の方がむしろ求められているんじゃないかと思わせるバイリンガルの英語アナウンスは、当時は「世界の一部」になろうとしていた、なれると思っていた日本人の一種勘違いからもてはやされるたもので、結局それはキラキラとした飾りでしかなかったことは今になって思えば分かるのだけど、それでも当時はそれがカッコいいと本当に思っていたり、憧れていた社会が存在していた。そしてそれは全くの無駄ではなくて、そこから垣間見えた英語圏やそういった外の文化圏に触れる人が増えるきっけけになったた結果、「本格派」の「洋楽」みたいな人達が、その肩書きを特別な武器にすることなく日本に存在できるようになったとも言える。

シティポップというジャンルは便利に使われていて実際何がなにやらという現在だけど、それでも昔から存在している「シティポップ」における「今まの日本の風景」に存在していなかった都市の浮遊感を伴うものだとしたら、時間が経過することでその浮遊感は多くの世代や人間が共有してしまって薄まったものの、その分だけ表現力が高い人も増えて、結構いい曲に触れられるようになったということなのかも知れない。

つまりいい曲です。