2017年の音楽2017-12-29

自分が振り返るためだけにやって、今年で4年目。
2016年2015年2014年

今年はあんまり余裕が無くて、外にライブを見に行くことも音源を探しに行くことも殆どできなくて、ほぼネットからの情報だけで音楽に触れていた。Spotifyが結構な救いだった。便利な世の中になった。

Cornelius – 夢の中で


11年振りというのが実感あんまり無い人。これだけグローバル化すると「世界のオヤマダ」なんて口にするのが気恥ずかしくなるけど、そのくらいな存在。万が一、椎名林檎にもしものことがあってもオリンピックは小山田圭吾がやれば大丈夫。間に合わないかもだけど。
タイトルの通りのドリーミーポップは、言葉遊びみたいな歌もこういう音にはすごく説得力があるんだなあ、シンセベースは気持ちいいなあと何度もついつい聴いてしまう。

Penguin Cafe – Cantorum


イギリス人。
日本向けのサービスなのかも知れないけれどコーネリアスとやった影響を話してくれたり、BBCのプレイリストに入れてくれたり、世界が繋がったというのはこういうことなのか、いやいやサービスでしょ?なんて半信半疑になったりする。電子楽器を使わないで電子楽器みたいなことをやっているという説明は、昔からペンギンカフェってそんな感じだったなあと思うわけだけど、それが今も続いていて有効な方法論なのはすごく良いなあなんて考える。同じ音の反復は気持ちいい。

anone – momo


日本のエレクトロニカの先端の一つ。きっと異論の方が多いだろうけど。
こういうジャンルは音数が少ない分ストイックになりがちだったりしてシリアスになったり、フォーカスの絞られた雰囲気になりがちなのだけど、そこに日本特有のおぼこさが混じるのは、それはそれでとても独特な感じがする。聴こえ方の可愛らしい音楽。

tofubeats – WHAT YOU GOT


今年の紅白歌合戦で郷ひろみの楽曲のリミックスをする人。現在の日本の音楽シーンの中心に存在する、普通に立派なミュージシャン。
若いとかネットとか世代とか、そういうのは本当にもうどうでも良くて、こういうミュージシャンが日本にいます、以上。で済んでしまう感じ。
本人も色々と思う所はあるのだろうけど、そんなことも含めて現在の日本で存在し続けることをずっと見ていくのが楽しみだ。まだ神戸に住んでいるのも素晴らしい。

Suchmos – STAY TUNE


こちらも2017年という時代を代表するカッコイイ音楽。カッコイイというのは一方でダサいと捉える一群もいるわけで、そんなこんなを一手に引き受けてるような存在。
「サチモスが好きです」で笑いも取れれば、感心もされる。きっと老若男女誰が聴いても結構な人が「カッコイイ音楽」「若者の音楽」と感じるんじゃないだろうか。昔のTMネットワークのようなものか。何がそうさせているのかは分からない。クローズドハイハットか。

こういうニコニコ動画っぽいマッシュアップが、そうそうそうだよと思える最大公約数がきっとサチモス。

DADARAY – 美しい仕打ち


川谷絵音プロデュースで、ゲスの極み乙女。のベースとライブのコーラスがメンバー。サポートのドラムとギターがindigo la End。ボーカルだけ新人という構成。川谷の音楽を違うセットで演奏したらどうなるかの実験みたいな気もするけど、食材もコックも同じで違う料理作ってちゃんと独自の味になるのはすごい。色んなところにジョン・ウェットンやグレッグ・レイクがいるような感じか。ちがうか。
女性ボーカルといってもメインとコーラスで随分声質が違うのと川谷絵音の声じゃないだけでこれだけ印象変わるのかと思うとボーカルも楽器なんだなってことがよく分かる。分かってるつもりでも、もう一回気付かされる。

フレンズ – 塩と砂糖


今年バーンと売れた人達。おかもとえみのボーカルを軸に色んな音が動き回る構成はそれだけで聴き応えがある。心地よく何度でも聴けて、調子良い時はどんな音楽やっても上手くいんじゃないかってくらいな雰囲気がある。来年も楽しみ。

The Allergies – Get Down on You


spotifyのおすすめで出てきた人達。今はなんでもネットで調べられる時代でたぶんイギリス人。白人ヒップホップってこういう感じだよね。というか今のグループなんだ、という驚きがあった。いい意味で時代遅れな感じ。
ちなみになんでspotifyがおすすめしてきたかは全く分からない。バグなのかもしれない。

吉澤嘉代子 – 残ってる


すごい才能。
カラオケが若者の娯楽になり、ボーカルのお手本になるようなアーティストが売れたことと相まって、自分を歌で表現できる人が大勢生まれたんだけど、ここまで女性を全面に押し出して歌える人はなかなかいない。ちょっと怖いくらい。こういう人の歌を聴いて、また新しい才能が生まれるのだとしたらYoutubeも結構重要な存在なのかも知れない。
大塚幸代さんの感想が聞きたい。

Easycome – つつじ


ギターポップ。
音楽の世界ではラーメンのように情報を食わせる作業が終わっていて、如何に耳に持っていかせるかのテクニックは残っているものの、味には尖った個性や濃厚さは必要されなくて逆にこんなのでやっていけるのか?と思わせる力の抜け具合もまた個性として認められるようになっている。そういう人達が音楽は魔法だよとか言ってしまって揉めたりするんだけど。この人達は言ってないと思うけど。
どこにでもありそうな音楽は気づくと無くなっているわけで、新しい名前の新しい人達が今まで聴いてきたような音楽を楽しく心地よくやっていてくれるという、ロックとはまったくベクトルの違う安心感のようなものを提供してくれるのもまた音楽のいいところ。

自分の状態がどうであっても外の世界では色々な事が起きたり動いたりしている。来年も気持ちが動くような何かに沢山遭遇したい。

12月28日(木) 気づけば人が少ない2017-12-28

この前クリスマスだと思ったらもう年末で仕事納めや帰省なんかも始まっているようで吉祥寺も人がちょっと少なかったり、ロンロンで売ってるお寿司も数が多いパックが増えたりして、いよいよ年末年始のモードになっている。
今年も色々な店が閉まってオープンした。駅周辺はさらにコンビニが増えた気がする。

あくまで個人の感覚ではあるけれど、今年は80年代から続いた賑やかな都市への憧れが生み出したシティライフみたいな幻想がやっぱり無理だったことがはっきりした年だったと思う。
働き方改革なんていう根本的な話が出るくらいに今までの時間の使い方を見直そういう機運が高まり、プレミアムフライデーなんていう一斉になんて出来っこないような事を無理にはじめて、それでもやっぱりちょっと早く終わったり、逆に遅く出たりするとおもったより気持ちや体は楽だし、そういう風にして仕事が回った方が良くないか?みたいなことを思う人がきっと増えた。24時間戦えますかなんて言ってた時代とは全然変わった。24時間とか無理。
そういう時代の流れの中で地価とイメージだけ上がった吉祥寺がこれからどうなるか?もっとコンビニが増えるのか?話題になるだけのスポットが増えるのか?そもそも吉祥寺の魅力って何よ?みたいなところ。
別に誰に試されるわけじゃないけど、中野や西荻窪に美味しい部分が移ってしまったわけで、ポジティブに言えば楽しみではある。普通に言えば不安。
月曜日遅く起きてお年寄りが多い吉祥寺の風景楽しんでからお昼前に出勤とか、それはそれで楽しいかも知れない。本当に月曜の午前中はお年寄りが多い。

12月14日(木) 広告看板2017-12-14

広告看板の募集が沢山あるなあって思うようになると、結構あっちこち目につく。空白な場所も実は広告が無いのかも知れないなんて思ったりして、ヨーロッパの街並みなんかと全然違う風景ではあるのだけど空白恐怖症というか、お金に変えられそうな場所はひとまず行っとけ、みたいな状況なんだろうと思う。自分の普段の格好で、手持ちのお金が無いから靴売っちゃえなんてことは考えないけれど、それはその人やその人が属してる社会の常識でしかなくて、ヨーロッパでも広告出しとけって所はあるだろうし、幾ら積まれても嫌だねってところもあるのだろう。日本は幾ら積まれてもっていう所はほんの僅かなんじゃないだろうか。月窓寺はそういう所かも知れない。

12月11日(月) 写真を撮りたくなる気持ちは分かる2017-12-11

井の頭公園は紅葉も落葉もすっかりすすんで盛りは過ぎたみたいだけど、それでも沢山の落ち葉だったり、人がそんなこない西公園の方も結構な景色で写真を撮りたくなる気持ちはすごくよく分かる。ジブリ美術館から出てきた中国人の人達が楽しそうにしていた。日本の風景として思い出に残ってくれるといいな。

12月10日(日) 文化薫る吉祥寺はきっともう幻想。少なくとも80~90年代の文化っぽいものはもう無いよ。2017-12-10

パルコに寄ったら屋上フリーマケットをやっていた。お昼過ぎだったけどすごくさっぱりしてて、屋上を満喫するには快適だった。もっと大勢いて歩くのも気を使わないといけないくらいの混み合いだと屋上から風景眺めたいだけの人は邪魔者な感じになるけれど、そんな心配がなかった。もしかしたら午前中はもっと盛況だったのかも知れないけど。

土曜日のフジテレビの散歩番組で永福町をやっていたのだけど、少し前には吉祥寺にもそれなりにあったこじんまりとしたお店が幾つも出ていた。
吉祥寺はシャポールージュも閉店して、気軽に入れる洋食屋が随分減った気がする。そういったお店の存在は80年代から世紀末くらいまでにあったHanako的な井の頭線文化なのかもしれないと思う。外観が木目で派手な看板なんかはあんまりなくてこじんまりした感じの佇まいのお店、TALK BACKがそのイメージを頑張って残しているか。
時代が流れて、そういう過去の良かったものから世間のニーズが変わってしまったのと、吉祥寺という名前を売って価値を高めてしまった分、今求められていないもので収益を得たり、銀行からの融資だとか投資を引き出したりすることは難しくなったんじゃないかなあと思った。パルコの屋上フリーマーケットがスッカスカとか、21世紀の地方都市っぽいじゃない。